はじめまして。「長門養生処 ゆらの木」の店主、田中です。
この「ゆらの木だより」では、整体のこと、日々の気づき、
そして暮らしのなかでふと感じたことを、静かに綴っていこうと思います。
整体をしていると、ときどき、こんなふうに言われます。
「そこ、言ってないのに…どうしてわかるんですか?」
私自身も、不思議な感覚です。
けれど、触れた手の下から、
“なにか”が語りかけてくるように感じることがあります。
それは“痛み”というより、“願い”のようなもの。
「ここに気づいて」「ここがつらいんだ」と、
声にならない気配が、皮膚の下で静かに待っている──
そんなふうに思うのです。
施術中に驚く方が、いらっしゃいます。
「そこ…ずっと言えなかったけど、実は何年も違和感があって…」
何も語らなくても、体は、じゅうぶん語っている。
だから私は、
“痛いところ”ではなく、
“触れてほしいところ”に手がいくのだと思います。
昔は、「空気を読む自分」が嫌いでした。
人に合わせてばかりで、自分が見えなくなるような感覚。
けれど今は、その感性が“手”になった。
整体師としてふれるとき、
私はようやく、自分の声も、誰かの声も、大切にできている気がしています。
話さなくても、
ここでは無理に言葉にしなくてかまいません。
あなたの体に、そっと耳をすませて、
必要な場所にだけ、静かに手をふれさせてください。
ここは、言葉にならない疲れをほどく場所。
「どうして分かるんですか?」と聞かれたら、
私は、こんなふうに答えるかもしれません。
「体が教えてくれるんです」と。





